「起床」
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昨夜は一緒の部屋にいる英国人のいびきが大きく、あまり心地よく寝ることができなかった。しかし、自分も人の事を言える立場ではないのかもしれない。
朝9時ごろ起床し、私は英国人のいびきから脱出するため、すぐにナソス(ホテルの名前)を出た。
「朝食」
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ナソスでは、当然のように朝食は出なかったので、私はまず朝食をとるために、ナソスの近くにある小さなスーパーマーケットで大き目の菓子パン0.8ユーロ(104円)と0.9ユーロ(117円)ロードス島産の100%フルーツジュースを飲んだ。スーパーと言ってもコンビニの6分の一程の大きさである。この旧市街では、そんなに大きなお店は建っていない。
ベンチで朝食を食べていると、ナソスの親父がボロボロの原チャリでやってきた。
「今日はどうするんだ?泊まるのか?」
私はナソスをどうしても好きになれなかったので、
「泊まりません。」
と言った。するとナソスの親父は、
「じゃあこれからどうするの?」
何も決めてなかった私は、
「わかりません。まだ何も決めてません。」
そう言うと、ナソスの親父は不思議そうな顔をしてその場を去って行った。
「キャンプ場」
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朝食を終えた後、私はそろそろ手荷物のキャンピンググッツを活用しようと思い、キャンプできる場所を探した。ナソスの親父はチェックアウトはいつでもいいと言うので、重たい荷物をナソスに置いて、キャンプできる場所を探しに歩いた。
旧市街を抜けて新市街に出、しばらく歩くとすぐにビーチに出た。ビーチの近くならば何か良い場所はないかと、海岸沿いをひたすら歩いた。
しかし、なかなか良い場所が見当たらない。歩くと、カジノや巨大なホテルが立ち並び、さすが一大リゾート地ロードス島という感じがしたが、なかなか海岸沿いにはキャンプができる場所がなさそうだ。
私は2時間ほど歩いたが見つからなかった。時刻は午後1時半。そろそろナソスに帰ってチェックアウトしなくてはならないと思い、私はキャンプ場を探すのをあきらめてナソスに戻ることにした。
帰り道、政府が運営するインフォメーションセンターに行ってどこかキャンプをするのに良い場所はないかと聞いてみると、このロードス島では法律でキャンプが禁じられているらしい。それを聞いて、私はロードス島でのキャンプを諦めることにした。
インフォメーションに行った後、お腹が空いたのでランチをとることにした。ランチは懲りずにまたケバブを別の店で頼んだ。以前はビーフのケバブを頼んだが、今度はチキンを試してみた。しかし、このケバブにもフライドポテト、チキン、サワークリームと、残念ながら昨日と同じように脂っこいものしか入っていなかった。このケバブはしばらく私の胃のに残る。
「大阪人モトさん」
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旧市街に入り、ナソスに戻ると、ドミトリーにちょうど日本人が来たという。彼の名前はモト。バリバリの関西弁をしゃべる大阪出身の方で、日本では医者をしているそうだ。仕事をしばらく中断し、世界を旅してまわっているのだという。最初はニュージーランドで3か月スノーボードをやっていたのだとか。なんだか羨ましい生き方である。
私はキャンプを諦め、ナソスの近くにあるユースホステルに宿泊しようと思っていた。ナソスのドミトリーがとてもひどいことを聞いたモトさんは、ユースホステルに関心を示し、一緒にユースホステルを見に行こうという話になった。
ナソスの親父には、
「この後はまだ決めていない。わからない。」
とだけ言って去った。わざわざ本当のことを言うのもどうかと思ったからだ。
モトさんと私は、旧市街を歩いて回り、ユースホステルを探した。しかしなかなか見つからない。そこで私は、街の人にユースホステルの場所を聞くことにした。
「ユースホステルへはどうやって行けばいいですか?」
そう言うと、街の人は丁寧に教えてくれる。そうやって道を聞いているときに、偶然ボロイ原チャリに乗ったナソスの親父がやってきて、街の人に私たちが何を聞いているのかギリシャ語で話しだした。そして、
「モトと二人で一部屋でどうだ?2人で20ユーロ、一人10ユーロだ。」
ドミトリーでなく、個室に泊れて同じ値段である。モトさんによると、ナソスのドミトリーは汚いが、個室は奇麗だというから、私達は2人で1部屋に泊ることに決まった。初対面なのに一緒の部屋とは申し訳ないが、ドミトリーより断然良かった。
「エメラルドグリーンのビーチ」
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ギリシャはトルコと同じく暑い。汗がだらだら出てくるのだ。それに私はまだ旅行に出て海で泳いでいなかったので、急に泳ぎたくなった。
モトさんに話すと、快諾してくれたので、早速私たちは2人で海にいくことになった。
ビーチはナソスのある旧市街から歩いて20分くらいだ。海は本当に奇麗で、少し深いところでも底が見える。浅いところはエメラルドグリーン、少し深くなると深いブルーになる海の色のコントラストもまた魅かれる。波はあまりないので、泳ぐにはs
まずはじめに少し泳いだあと、私はビーチの沖に建つジャンプ台へと向かった。ジャンプ台は3段階あり、一番高いところでも遠くからみたらそこまで高く感じなかったが、近くに行くと意外にも高かった。最初の方は、正直腰を抜かしたが、決意をしてジャンプした。滞空時間が長い分スリルは増幅される。
私が行って岸へ帰ってくると、モトさんもやると言ってジャンプ台に行った。後で聞くと、モトさんも最初意外と高くてびっくりしたそうだ。
「90ユーロのフルコース」
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ビーチの帰りに、モトさんの次の目的地であるクレタ島へのフェリーチケットを買いに旅行会社へ立ち寄った。
クレタ島はギリシャで一番大きな島で、ミノタウロスが迷った地下大迷宮の遺跡があるという。私は時間の資金の都合でクレタ島には行かないのだが、おもしろそうな島である。
一番大きい島なので、メジャーでたくさん船があるだろうと考えられるところだが、なかなかクレタ島行きのフェリーを扱っている旅行会社がない。やっと見つけたと思うと、ロードス島からは週に2本くらいしか出ていないという。モトさんは少し困っていたが、2日後に出るということなので、それまでロードス島に滞在するそうだ。
そして私達は夕食を食べるレストランを探しに旧市街を歩いた。ギリシャの『地球の歩き方』を持つモトさんは、そこに書いてあるレストランを探す。せっかく海が近いのでシーフードを食べようという話になったのでシーフードレストランを探す。
しばらく歩いて見つけた。レストランの名前は「FOTIS」。見た目は高そうな雰囲気である。しかし、信じて良いかわからないが、『地球の歩き方』にはおいしいと書いてあるので、入ってみることにした。
入ってメニューを見てみると、案の定高かったが、一桁の値段も結構ある。私は安いものを頼もうと思っていたが、モトさんが
「ウェイターの勧めてくれた、(二人で)90ユーロ(11700円)のシーフードフルコース頼んでみよう。」
というのだ。モトさんが60ユーロ出してくれるということなので、ここは奮発して食べてみようと思い、快諾っした。
楽しみに待っていると、まず出てきたのはしっとりしたパンと、オリーブオイル漬けにしたチーズとトマトソースだ。トルコやギリシャのパンは基本的にパサパサでそこまでおいしいものではなかったが、ここのパンはしっとりとしてとてもおいしい。ソースもオリーブの香りが効きとてもおいしく、全部平らげてしまった。
そして、ついに主役の登場、シーフードの大皿山盛りである。ロブスターから、手長エビ、(普通の?)エビ、タコ、イカ、大量のムール貝、そして名前のよくわからない白魚が載っている。こんなに豪華なものを食べてよいのかと思ってしまった。しかし、そう思いながらもお腹が空いていた私はすぐに食べ始めた。
エビはもちろん焼き立てで、アツアツでとってもおいしかった。ロブスターはもしかしたら生まれて初めて食べたのかもしれない。手長エビも初めてだと思う。ムール貝が大量に盛られていたが、この辺ではムール貝はたくさんとれるので、どこにでも安く売っている。モトさんいわく、
「こっちではムール貝は日本の潮干狩りくらいの勢いやろ。」
全てバターとオリーブオイルだけで味付けされていたが、それだけで十分においしいものだった。ウェイターが私たちに自信を持って勧めただけはある。
「アクロポリスからの夕日」
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お腹一杯に食べた私たちは、とても満足した。ただ、大量にあった全ての料理がオリーブオイルを使用していたため、お腹にたまった。
そこで私たちは口直しになにか飲み物が売っている場所がないか探した。しばらく歩きまわると、小さな酒屋がある。そこでは、ビールとコーラが同じ値段の1ユーロで売っていた。安い!何よりジュースとビールが同じ値段で売っていることに驚いた。きっと日本のビールの値段はほとんど税金なのだろう。
私はさっそく口直しにギリシャのビール「Mythos」を購入した。正直私はビールの味がそこまでわからないが、とてもおいしいものだった。1ユーロの幸せである。
歩きながら飲み、私たちは夕日をみようということで高台を探し始めた。ギリシャでは午後9時頃日が沈む。ちょうど一時間後がその時間だったので、絶交のタイミングだったのだ。
最初、旧市街にある城壁に登ってそこからみようと道を探したが、どうやら城壁にはのぼれそうにない。旧市街の中にクロックタワーというものがあったが、そこまで高くないし、ドリンク付き入場料が5ユーロ(650円)かかったのであきらめた。
新市街にあるインフォメーションセンターに行けば何かわかるのではないかということになり、私達はインフォメーションセンターに行った。するとそこのおばちゃんが、
「アクロポリス公園からがいいわよ。」
と教えてくれて、地図で場所を説明してくれた。
そしてインフォメーションセンターから約20分歩き、アクロポリス公園に到着。そこには神殿跡や、競技場の跡など、たくさんの遺跡もあり、それだけでも魅力的だった。
遺跡を見にきた観光客の団体が、夕日は今からだというときに帰っていたので、モトさんは、
「いまからっちゅうのになんで帰るんやろな。」
と言っていた。観光客は夕日に興味がないのだろうか。
公園の丘に上がり広がったのは、絶壁から見える広大な海だ。そしてその向こうには、今にも太陽が沈みそうである。絶好のタイミングでこの場所にくることができた。ラッキーである。
私たちは、夕日を見た後ナソスに帰った。
ナソスの英国人
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モトさんが寝た後、私は部屋を出てロビーで日記を書いていた。日記を書いて約20分程経過した後、昨日一緒にドミトリーに住んでいた英国人と同じくナソスに泊まる韓国人の女性キムさんが現れた。どうやら英国人の誘いで、二人で旧市街を散歩していたらしい。英国人は積極的である。
そしてその英国人は、私の旅のことをアドバイスし始めた。私がエジプトに行くと言うと、
「エジプトは危ない。(手をたらいくらいに広げて)こんなにおおきな蜘蛛がいたり、蛇がいたり、伝染病がはやっていたりして大変だぞ。気をつけろ。」
伝染病等は何かで聞いたことがある。確かに、食べ物等は気をつけるべきだろう。しかしそんなたらいみたいな大きさの蜘蛛の話は聞いたことがない。次の朝、エジプトに行ったことのあるモトさんに聞くと、
「そんな話聞いたことないよ。」
どうやらナソスの英国人はとにかく話を盛るようだ。昨日の夜私に言ってきた、
「マンチェスターに住む人々は、女8人男2人の割合だよ。」
も盛っているのだろう。
しかし、何が起こるか分からないので、注意するに越したことはない。
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