アテネへ向かうフェリー
「起床」
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ホテルのベットはとてもふかふかで寝心地がよかった。ミコノス島は風が強いせいか、夜はとても涼しくて気持ちが良い。
ミコノス島には「パラダイス・ビーチ」というビーチがある。このビーチは、かの有名なヌーディスト・ビーチである。
このビーチに正直ちょっと興味はあったが、ミコノスタウンから少し離れた場所に存在するため行きにくいのだ。アテネへ出る安い(20.90ユーロ:2717円)フェリーは昼の13時15分出発。夜の便もあるのだが、料金が50ユーロ程していしまう。
パラダイス・ビーチへ行くために、このミコノス島にもう一泊するのも難なので、わたしはビーチを諦めて今日の昼に出るフェリーに乗りアテネに向かうことにした。
「ミコノスタウンへ」
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まだフェリーのチケットを購入していなかったので、私はチケットを購入するためにミコノスタウンへ向かうことにした。普通フェリー乗り場にチケット売り場があるものだが、この島のフェリー乗り場にはチケット売り場はないと宿の奥さんが教えてくれた。
チケット売り場に行くと、小さなフェリー売り場に10人程が二列で並んでいる。私の前にいた男の人が、なぜか私を列の前にしてくれた。なんだか妙な優しさである。
フェリーは20.90ユーロ(2717円)。出発時刻は13時15分だ。私は宿の奥さんに港に送ってもらう約束をしていたので宿に戻った。
「港へ」
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宿の奥さんは、約束した時刻になっても現れない。宿の主人にその旨を伝えると、
「あと10分後くらいしたらくるよ。」
という。本当に10分遅れで奥さんは車でやってきた。彼女はあまり悪気はないようだ。これくらいの遅れはギリシャ人にとって普通なのだろうか。
ミコノス島の港は「ニューポート」と、ミコノスタウンにある「オールドポート」の二つがあったが、私のフェリーは「ニューポート」出発だ。奥さんは私のフェリーチケットを見て「ニューポート」に車で送ってくれた。
宿の奥さんは私を降ろして車を止めるなりして再び船から降りてくるを客引きしにスタンバイし始めた。毎日このように客引きしているのだろう。
到着してまだ少々時間があったので、昼食をとることにした。港には小さな売店があり、そこでハム&チーズサンドイッチを1.5ユーロ(195円)で購入した。サンドイッチは焼かれた状態で出てきたので、アツアツでとてもおいしい。しかし、ハム一枚とスライスチーズが食パンにはさんであるだけのこのサンドイッチは、私にとって物足りないものだった。
「アテネ?」
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フェリーは出発45分くらい前にやってきた。この季節はたくさんのフェリーが往来するので、最初あまりにも早く来たので違う船だと勘違いしていたのだ。船のまわりにいる人にチケットを見せて確認したところ、この船だとわかった。確認して良かった。
乗り込むとあまり人が乗っていない。広々としたスペースには、私ともう一つのグループぐらいしかいなかったのだ。よほど人気のない船なのだろうか。主ぱつししばらく経ち、私はすぐに寝てしまった。そして1時間ほどして起きると、周りにはたくさんの人々が座っているので驚いた。きっとどこかの島に停泊して乗ってきた人々なのだろう。なぜ乗っているのは老人ばかりである。今日が平日だからだろうか。
18時30分、船はアテネに到着した。船を降り、インターネットで調べておいた路線図にある地下鉄の駅を探すが、見当たらない。レストランの人に聞いても、通りすがりの人に聞いても、地下鉄の駅はないという。確かに地図には港から電車が出ているのだが・・・どうやら、駅のある港は別の港のようだ。通りすがりの人に聞くと、アテネ市内へ行くバスがあるというので、そのバス停まで案内してもらった。
15分程経ち、観光客用のような大きなバスが到着した。バスの車掌に聞くと、アテネまで行くと言う。私はバスの下にある荷物スペースにザックを入れ、バスに乗った。
正直このバスがアテネのどこに行くかはわからない。とりあえず市内にいけばバスや電車があるだろうと思い、バスに乗り続けた。
まわりの景色は、最初田園風景が広がって本当にここがアテネかと思ったが、バスが進むに従って徐々に街となってきた。建物は徐々に高くなっていく。よく見ると、ギリシャの「国防省」などが見えたので、ここがアテネだと思いホッとした。
たぶんバスの終点はアテネ市内の中心辺りだと思ってバスを乗り続けた。そして運転手が、
「ここが終点だ。」
といって乗客を降ろしているのを見て、私はそこで降りた。
見たところ、アテネの街はなんだか治安が悪そうである。街のいたるところにスプレーの落書きがあるし、あまり奇麗な街とは言い難かった。フラフラ歩いている変な人も多い。すでに日が沈みかけているので、早くホテルを見つけなければと思った。
一応インターネットでアテネのユースホステルを探しておいたので、パソコンに入っているその地図を片手に歩く。まず自分の現在位置がよくわからなかったので、私は近くにいた警官に今の場所を聞いた。
「その通りならここだよ。」
その言葉を信じ、警官の言う通りに従ったが、その通りはすぐに行き止まりとなってしまった。そこでまた通りすがりの人を捕まえて地図を見せた。すると、その人は道を教えてくれ、
「このパソコンやあなたの大きなザック。気をつけな。強盗に盗られちゃうよ。」
やはりこの辺りの治安は悪いのだろうか。
案内された通りにあるくと、地図と同じ形をした曲がり角を発見した。地図にはギリシャ語で通りの名前が書かれていたが、その通りにある通りの文字と似ているので、私はその通りを進んだ。
しばらくして、地図と似たような交差点を発見した。その交差点の近くにホテルがあるはずなのだが、見つからない。通りの人に聞いてみると、
「それはこっちだよ。」
と指で示してくれた。しかし、その通りに行ってもそれらしきものはない。また違う人に道を聞くと、違う通りを指で示す。どうやら、通りすがりの人々の頭に、このあたりの地図がインプットされている確率は極めて低そうだ。
私はそう思い、地図を頼りに交差点を見渡した。たしかこの場所にあるはずである。すると、4階建てのビルに小さくユースホステルのマークがあった。この治安の悪そうな場所でやっとホテルを発見である。私はすぐにそのホテルに向かった。
『ユースホステル「Hotel Lozzani」』
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外からみるとなんだか怪しい光を放っている。まるで日本のラブホテルのようだ。本当にここがユースホステルかと疑った。
入るとすぐに階段があり、上がるとレセプションがある。そこで、
「ここはユースホステルですか?」
と聞くと、レセプションの人はそうだという。ドミトリー(共同部屋)で16ユーロ(2080円)。ネットで調べた時は10(1300円)ユーロの場所があったが、もう辺りは薄暗くなってきていたので探すのをあきらめ、私はこのユースホテルに決めた。
ユースホステルの名前は「Hotel Lozzani」。4階建てで、部屋があるのは上3階だ。白を基調とした建物、内装はなかなか清潔感のあるものだ。2階に上がるとインターネットスペースがあり、そこに多くの人が集まっている。このホステルにはテーブルやイスが並ぶ共有スペースがないので、皆階段や地面に座っていた。
4階に上がり、自分の部屋である26番の部屋を探した。部屋は一番奥にあった。中に入ると真っ暗。どうやら部屋では数人が寝ているようだ
。私の存在に一人の男が気付き、私に、
「今いったい何時だ?」
と聞いてきた。私の時計は壊れていたので時間はわからない。なので、
「時計は持っていない。だけどたぶん6-7時ごろだよ。」
と教えると、
「それって午後の?」
と聞いている。彼はどうやら一日中寝ていたようだ。
私は荷物を置いて、夕食を食べに外に出た。念のため、レセプションに、
「このあたりは治安が良いですか?」
と聞いてみると、
「ええ、治安はいいですよ。」
と答えてくれた。しかし、辺りはもう薄暗かったので、なるべく大きな通りを歩いた。
「久し振りのライス」
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ピタ(ケバブのような食べ物)を3ユーロ程で安く売っている店はたくさんあったが、最近ほとんど夕食がピタだったので、他に安いものはないかと探した。
15分ほど歩くと、地下鉄Metaxourgelo駅がある広場に出た。近くには高そうなホテルが連なる。このあたりだったら何か良い場所があるのではと思い、数軒のレストランのメニューを見ていると、「ライスとトマトソース 3.8ユーロ(492円)」があり、久し振りに米を食べたかった私はそのレストランに入った。
注文した後に、水とパンのサービスが出てくる。サービスのパンは表面が厚くて硬く、中はしっとりとしてとてもおいしかった。ウエイターが、
「チーズはいりますか?」
と言うので、もちろんと答えた。そして出てきた料理は、ライスの上にトマトソースがのり、まんべんなくチーズが載せられた料理。チーズの多さで下のライスが見えなかった。チーズ好きの私にはたまらない。
食べ終わり、会計を済ませると、ウエイターが、
「Merci boque(ありがとうございました。)」
とフランス語でお礼を述べてきた。このレストランはフランス人が経営しているようである。
「ホテルに戻る」
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レストランから帰る時はすでにもう薄暗くなっていた。早く帰らなければと思って急ぎ足でホテルに向かう。その途中、私は別のユースホステルの看板を見つけた。その名は「Athens International Youth Hostl」値段は残念ながら私の泊まるホテルと似たような価格、15~16ユーロだった。10ユーロのユースホステルもあるというが、一体どこにあるのだろうか。しかし、このユースホステルは下の階にラウンジがあるので、とても使いやすそうだ。私は明日はこのホステルに移動しようと思った。
ホテルに戻ってインターネットスペースでメールをチェック。部屋に戻るとまだ暗い。どうやらこの部屋の宿泊客はこのままあ明日まで寝るようだ。
私はシャワーを浴び、明日に備えて寝ることにした。
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